2017年
5月
31日
水
コーヌス義歯の支台、コアだけやり直しのケースです。
脱落やカリエスなどで、義歯・内冠はそのまま使用してコアだけ製作することがたまにあります。
今回もその類で、義歯に戻した内冠内面にレジンを入れて大まかなトレーにしていただきました。写真の印象ポストは折れて行方不明になってしまったので短いですが、元々は長く綺麗に印象が採れていました。ポストがきちんと印象できるようにレジンを入れるだけですので、トリミングしてガバガバのレジンで構いません。
外冠に内冠を戻す際には、外冠内面の汚れは綺麗にしておいてください。結構プラークなど溜まっている場合があります。
義歯に内冠を戻した状態でシリコン印象材をレジン部に盛り、義歯を口腔内へ戻して印象採得します。
印象した内冠を義歯から外すには、鉗子などで義歯を保持し、その鉗子のヒンジあたりを内冠の抜ける方向から棒などでカンカンカン!と叩きます。
ポロっと外れますのでどこか行かないように注意してください。
その印象内冠をそのまま送っていただければOKです。
その印象を元にポスト部分と内冠部分の模型を製作します。
模型に製作したコアと内冠を戻し、上下模型を合わせるとピッタリになるようコアを製作します。
ただ、ポスト部分、内冠とコア部分のセメント浮き上がりを考慮しますので、ややルーズなフィットにしています。
セット時には外冠内面にワセリンなど塗布し、内冠を納めた状態で口腔内へセットしてください。バラバラだと位置がずれてしまいます。
文章にすると複雑なように感じるかもしれませんが、事前にご相談いただければサポートいたします!
2017年
5月
30日
火
週末に日本橋へ行ってきました。
「みうらじろうギャラリー」の「Bへのオマージュ」という展覧会のトークショーに参加するためです。
もともと佐久間友香さんというアーティストに注目しており、画家バルテュスへのオマージュ作品を展示するということで興味を持っていました。そこで何気なくHPを眺めていたのですが、トークショーに横山宏 氏の名前が!
横山宏 氏といえば、中学生の時分から夢中になっていた「SF3Dオリジナル」の作者です。1980年代から「ホビージャパン」誌に独自の物語を展開し、製作した造形物を実写のような写真で掲載されていました。モデラー?の端くれな私にとってはまさに雲上のお方です。
バルテュスへのオマージュ作品に囲まれた中でトークショーは始まりました。
20名前後の参加者での会場は距離感も近く、某歯科セミナーの様でもありました。
内容はバルテュスへの関わりや絵画の分析傾向、大学の教育や新人への啓蒙、製作で意識していることや独自の手法など多岐に渡りました。
掛け合いの松山賢 氏も作品を出品していましたが、そのトーク内容と聴衆の引き込み方は素晴らしいものでした。多岐にわたる知識という「点」が見事に「線」となり、見事に織りあがってゆくのです。プロジェクターを使った歯科以外のプレゼンを聞くことはほとんどないのですが、数年前に聞いた奥山清行 氏のプレゼン同様に興奮しました。
ノリに乗ったお二人のトークは止まらず、合間を見たギャラリーオーナーが締めくくるまで続きました。1時間30分の予定が2時間以上になりましたが、もっと聞いていたかったです。
「ものづくり」という同じカテゴリーで歯科技工と照らし合わせても、一部抜粋ですが参考になることが多々ありました。
・下手な人が工夫するのがいい。上手くなるいいモノを作る。
・宗教ベースでモノを考える。ワールドクラスで認められているモノは経済活動に通ずる。
・色とかたちとマチエール
・締め切りへの取り組み方
・最初の売る一歩 、プレゼンテーション
などなど・・・
左写真のモデルは私が中学生の時に製作した、横山宏 氏のSF3Dキャラクターです。
受験勉強もせずに熱中していましたが、市内のコンテストで優勝したら両親も怒るに怒れず・・・複雑な顔をしていたのを思い出します。
出品したモデルは写真と別のSF3Dモデルですが、トロフィーのみ残り現物は行方不明・・・(笑)
2017年
5月
24日
水
clinical case 5と同じ先生の症例です。
20代男性のケースですが結婚式を控えており、時間的な余裕がなく一発勝負となりました。
外傷で破折・失活しファイバーコアが入った状態ですが、テトラサイクリン?なのか暗い色だったためホームホワイトニングをしたとのこと。
上顎左1は捻転しているが、それほどの捻転にしない範囲で形態を作って欲しいとの指示。
う〜ん、前回の失敗があるのでより慎重に進めなければとイヤな汗が・・・しかも前回より難易度のハードルが上がっているような気もする。
撮影されたシェードガイドのタブはC1、C2のショットとC3、C4の個別ショット。
C系統のケースってあまり出ないのは技工士なら知ってますよね。
色調がグレーなのか、透明度が高くて暗くなりグレーに見えるのか判断が難しいです。
変色歯だとD系統が一般的ですが、ホワイトニングの効果かエナメルが結構白い・・・
熟考の上、A2のインゴットでプレス。歯頸部はC4に近いのでステインで色を出す予定。
2017年
5月
23日
火
ファイバーコアが装着されたe.max補綴のケース。
撮影されたシェードガイドのタブはA3とB3だが、口腔内のカラーはかなりバラバラだ。
上顎右側1の透明感と白い縞。右側2のエナメルは結構白い。
補綴されたMBはA2~A3。下顎1はなんだか暗い。
上顎右側1に合わせる予定だが、画像とにらめっこしていると目がチカチカする・・・
既存のMBや下顎1の感じからも、上顎右側1は結構透明感のあるアンバー系のエナメルではないかと予測。
シェードガイドA3よりもやや暗く色味が濃いが、D系統の色なんじゃないかと思ってD3のインゴットでプレスしました。
いま思えばこれが大きな間違いだったのですが、どうも下顎1の色味に引っ張られて・・・
試適の状態を見るとかなり暗い。orz
一番近いのは案の定、下顎1でした。皆さんにご迷惑をかけて申し訳ないのですが、これじゃセットできませんよねぇ。
ベースの色味が違いすぎるので、削って陶材盛り直しでは修正できないと判断。
A2のインゴットで再プレス!
なんとかこれで合格点をいただくことができました。
(画像の左側が1回目のD3、右側が2回目のA2。)
結局、はじめに目がチカチカしていたのが尾を引き、目標である色を見誤ったのが敗因かなと。
セットした後の写真はいただけない事が多いのですが、結果はどうあれ見せていただけると今後のケースの参考になります。
医院によって撮影機材も違いますし、撮影時に選択するシェードタブも正直偏りがあります。上手に脳内で色変換するのには、トライアンドエラーで数をこなすしかないのかもしれませんね。
2017年
5月
17日
水
時差のある話ですが、今年のGWは結構お休みできました。
久しぶりに気合を入れて外掃除しようと、ケルヒャーの高圧洗浄機を持ち出して手抜き掃除です。
電源コード、水道ホースを繋げてさぁ噴射!・・・と思ったら電源スイッチが入りません。
えぇ、うんともすんとも言いません。噴射口からはジョウロのような水が出るだけです。
結構いいお値段したと思うのですが、全然元が取れていません。メーカーに修理を依頼すると最低でも1諭吉はかかるようです。もう少し出せば小型の新品が買えてしまう状況に悩みました。
結論としてダメ元で分解修理することにしました。
ネットで情報を検索するも同型機は見つかりません。似たようなものだろうと分解開始です。
ところがネジを外そうとすると、外国製品にありがちな六角星形ネジです。折角出したドライバーセットでは歯が立ちません。とりあえず車の整備に使う六角レンチで回しました。ところが結構長いレンチでも届かない深さにあるネジがいます。その一本を外すためにホームセンターへ行って長いレンチを探しました。細くて長いレンチは選ぶ余地もなく、使えそうなのを見つけてトライ!なんとか黄色いカバーを外すことができました。
開けると今度は白いカバーが・・・どうもネットで検索して見た小型機と同じ感じです。価格の違いは外カバーの大きさか?!
中身は大きく分けて4つ。ブラシモーター、圧縮機、水の流れるバルブ、電源スイッチ。
怪しいと目をつけたのはカーボンブラシ部分とスイッチ。ブラシ部分に異常なしと。とりあえず清掃して研磨で終了。スイッチ部分はメインの圧縮機を止めてあるネジを外さないと取れない構造。ネジを外すとスイッチ部分が外れた。ん?なんか流れ出してきた。圧縮機内部のオイルだ〜!慌てて器械を立てるも結構漏れてしまいました。orz
心折れかかるもスイッチも分解。接点がショートして焦げて変形している・・・研磨して終了。
でも電気流しても動かない。どうもプラスチックでできたスイッチ部の立て付けが悪いようだ。薄いプラ板を追加してスイッチがきっちり入るように調整。
電源オン!ぶおおおお〜ん!!!動いた!修理完了。
晩御飯食べてから作業始めたので深夜1時。
手のかかるドイツ娘よのぉ〜