技工士なら誰しも不得意な技工物があると思います。でもそれ以外にも失敗するリスクの高い技工物は敬遠したいものです。
写真は先日納品したクラウンとアンレー支台の後ロー着したメタルボンドブリッジです。後ロー着しないと6番アンレーが焼付金属になってしまいます。色調や硬度、価格など考えると白金加金で製作したいのは理解できます。
今まで私が製作してきた中でも、幾つか敬遠したいものがありました。
後ロー着のメタルボンド、鋳接のアバットメント、金属床とのロー着、支台の細い・又は薄くなるe.maxなど・・・です。
こんな事書くのもどうかと思いますが、リスクのある技工物だと先生方に知っていただきたいのです。アポイントに間に合わなかったり・・・
鋳造やロー着はある程度確立した技術がありますが、まだまだ分からない事も多いのです。恐らく失敗した事の無い技工士はいないと思います。後ロー着のメタルボンドや金属床とのロー着は、目に見えない陶材や金属の内部応力などが影響してクラックや変形をもたらします。プレスの難しいe.maxや鋳接インプラントなどは、失敗した時にインゴット代やパーツ代が赤字となります。インプラントはパーツが高価なので、1回失敗すると目も当てられません。
もちろんこれらの技工物の必要性は理解しております。ただ、納期や料金に余裕を持っていただけたらありがたい技工士は多いと思います。間に合わなかったら許して下さい。